『ハンニバル』の再視聴感想。

  • しるばーほーく@lemmy.coffee-beanz.comOP
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    1 year ago

    第4話「Œuf(ウフ)」……卵料理。まだ孵化していないウィルを示しているような気もするし、今回登場した子供たちを指しているような気もする。

    手作りソーセージ(人肉)を片手にウィル宅に勝手に忍び込んでルアーに細工をする男、ハンニバル・レクター。用意周到で半端ない。前回の石ころ隠しといい、凄まじい先回りだ。

    家族関係が首軸になるエピソードで、ようやく少しだけ明かされるウィルやレクター博士の過去の断片。ウィルの父親はボート整備の仕事をしていて、貧しい父子家庭育ち。レクター博士は家族と死別している孤児院出身者(妹の存在はまだ明かされていない)。人間の精神構造を形作るのは家族関係であると常日頃から思っている私にとっては、感慨深い断片情報だった。レクター博士がウィルに投げかける質問は、質問のように見えるけれど、実際には誘導なんだよね……この手腕。あと、今回も博士のスーツ姿は総じて格好良かった。

    揺れる振り子と共に、今回の事件は少年たちを洗脳して疑似家族を作って殺人を犯させている女性が犯人。少年たちは本当は皆いい子ばかりなんだけど、機能不全環境に置かれているせいで、いとも容易く洗脳されてしまっている。これは身につまされるし辛いですわ。

    さて、前回アビゲイルを手中におさめた博士だけど、怪しい催眠キノコ紅茶的なものを使って更にアビゲイルを捕縛しようとしている。そんなアビゲイルの扱いに困っているアラーナは、博士に怒っていたりする。アビゲイルが見た幻覚が父ホッブスと母の居る食卓だったのは悲しい……食卓って、家族を象徴する場だものね。

    ラストで、ジャックの妻のベラが登場。子作りの件をジャックから聞くも、顔を曇らせる。そうだった、彼女には夫に言えない秘密がある。ジャックにはジャックの苦労があるのだよね。

    ボート職人をしながら釣りを楽しみつつ犬たちを可愛がって穏やかに暮らしているウィルの姿を想像してみると、ちょっとだけ泣けると思います。