『ハンニバル』の再視聴感想。

  • しるばーほーく@lemmy.coffee-beanz.comOP
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    1 year ago

    第3話「Potage(ポタージュ)」……スープ。ここからがメイン料理ですね。余談だけど、私はコーンやかぼちゃのポタージュが好きです。更に余談だけど、日本ではスープ類のうち、とろみのついたものをポタージュ、澄んだものはコンソメと呼ぶらしい。ふむふむ。

    ホッブス&アビゲイル父娘の鹿狩猟シーンからスタート。昏睡状態から目覚めたばかりのアビゲイルは母親の死と父親の射殺を知ったものの、とても落ち着いているように見える。アラーナ曰く「ショックが大き過ぎる」。でも、多分そうじゃない。父親の異常性と罪悪感のはざまで揺らいでいるような印象。そんなアビゲイルの元を訪れるウィルとレクター博士。温室での会話シーンは、ウィル自身のホッブス射殺に対する感情をアビゲイルを通して見ているような気持ちになる。

    今回は特にレクター博士の表情というか、目の動きが本当に良かった。「多くを語らずに全てを見ている」表情。この辺りの演技が上手過ぎると思うんだ、マッツ・ミケルセン……。

    そしてラウンズ。この人の赤髪とキュートなお顔が好きです、服装のセンスも良いし。ジャーナリスト魂逞しい彼女のお陰で、ニコラス(連続殺人被害者少女の兄)はアビゲイルに近寄るけれど、アビゲイルの優しい友達に「あっち行け」とばかりに石を投げられたりして、ちょっと気の毒。そして、ニコラスの血が付着したその石を爪先でサッと隠す博士。うわあ……うん……。実際には、ニコラスの妹は連続殺人被害者というよりはレクター博士の手による"ミネソタのモズ"の被害者。ウィルだけが犯人を読んでいるものの、今まさに肩を並べている紳士的な精神科医兼外科医が真犯人だとは気付かない。今回はソファで向かい合うシーンは無し。

    そして起きる殺人事件。アビゲイルの優しかった友達が、小屋の2Fで惨殺されている。鹿の角に全身を貫かれて、遺体にはニコラスの血痕。傷心のアビゲイルが自宅の居間で「命を無駄にしない」ホッブスが手作りしたクッションをナイフで切り開いたら、大量の髪の毛がワサワサと……そりゃあ驚くよね……そこへ、間のいいことにニコラス登場。パニックになったアビゲイルは、ニコラスを殺害してしまう。しかもレクター博士が言うところの「正当防衛ではなく惨殺」という形で。追い詰められて狩りの癖が出てしまったとも考えられるけど、判断が難しいな……。博士の助言でアビゲイルは偽証することになってしまう。全てが仕組まれた用意周到な舞台だ。

    ウィルの悪夢は今にはじまった事ではないのだろうけど、徐々に悪化している。共感力云々の前に「この男は一体幼少時に何を経験したんだろう?」と考えてしまう。だから言ったじゃないですか、シーズン7まできっちり制作して、過去とかその他をもっともっと見せて魅せてくれれば良かったのにと……!